石橋文化ホール
昭和31年、ブリヂストン創立25周年を記念して石橋正二郎氏が寄贈された石橋文化センター。 園内には100品種2,000株の花が咲き誇るバラ園、世界つつじ園、日本庭園、ツバキ園などがあり、四季折々の花が楽しめます また、世界的アーティストや音楽関係者から高い評価を受けている石橋文化ホールや、青木繁、坂本繁二郎、古賀春江など日本近代洋画の名作を常設展示している石橋美術館をはじめ文化会館、市民図書館、坂本繁二郎アトリエなどの文化施設に加え、平成8年には、国宝、重要文化財などの日本の書画や陶磁器などを展示する石橋美術館別館がオープンし、名実ともに近代的総合文化施設として親しまれています。(文・写真共に久留米市HPより)
と、このような経緯で石橋財団が久留米市に寄付したもので、そもそもイチ企業の私物だったものだ。市民の文化意識を高めるためなのか、久留米市に音楽を聞ける場所が無かった当時、個人でそのような建物を造ってしまうところが石橋正二郎氏のすごいところ。ちなみに私が小学生の頃(40年代)市内の各小中学校へプールも寄贈している。お金は「悪」という意識が強かった時代に何とも気持ちよく使われた事か。他人を幸せにする事は自分も幸せになるという事の最もたる例ではなかろうか。新久留米市の歌を作るにあたり無償と云いつつ1000万円もの久留米市民の血税をふんだくった久留米市出身歌謡歌手F.F.とは大違いである。と、話は横道にそれましたが、肝心のホールの事・・・。
基本的にオーケストラ(クラシック音楽)を聞くために設計されていて、音響的残響はかなりのレベルらしい。基本的にこの手のコンサートを行うには全く問題ないホールだと云える。ただステージ面積が狭いのと袖がほとんど無いところが難点ではある。にも関わらずオケピットがあったりして不自然きわまりない。
しかし音響屋としてお邪魔するといろんな問題点が見えてくる。そもそもそういう対応など考えられていない設計なので仕方ないと云えばそれまでだが、これまで一度も改修が行われなかったところを見ると、そういう電気音響が必要な催事には貸したくないのかもしれぬ。(何度も改修されています)
搬入〜仕込み
まず、搬入口を見てびっくりする(写真ステージの上手側)。道路に並行にデカイスライド式の扉(約4m×4m)が地面より20数cm低いところにある。これが搬入口だ。おまけに段差のところには側溝用の編み目の鉄板があり、とてもキャスター物をそのまま入れる事は出来ない。数名のバイト君(関係者)が必要になる。ゲート無しトラックではもろ手運び状態になり搬入だけで一仕事になりかねない。搬入後休憩が必要になることうけあいだ。
機材を入れるとまず目に入るのは「ステージ袖」というにはあまりにもお粗末なスペースだ。おまけに上手ツラから内側に入り込んだ壁が邪魔をして余計狭くなっている。その猫の額ほどのスペースはステージ裏の「倉庫」と繋がる通路にもなっていて、平台などの道具はここを通って出し入れされるものだから、搬入と重なるととんでもない事になるので、そこんとこ事前に確認しておこう! たとえば本番中の仕込み替えなんかあった日にゃもう目のあてどころもないくらい悲惨な状態だ。
何度も云うが、こういう想定なしに設計されているし、今で云う電気音響など無かった頃の設計だから致し方ないことである。(あるにはあったのだろうが、職業としての乗り込みという意味ね)


出演(KOHAMAN/KAZU/FUJIKING)
その他
ステージは奥行きがとても短い。というかほとんど無い。オーケストラを想定したというが、あまりにも申し訳なさそなステージ面積だ。図面で見るとそうでもなさそうに見えるが、ローホリなんか置かれたりすると結構場所を食い見た目よりかなり狭くなる。それにメインステージに対するオケピットの面積も不自然ではある。
電気音響を必要とする音楽には少し長めの残響となるが、市民会館の変なビビリ音はないのでそれほど敏感になるほどのことでもない。ただロック系にはやりにくい残響ではある。残響可変装置(カーテンなど)があれば全く問題ないと思うが、そんな話は出た事もないと推測する。
こんな感じだから電源も大して重要視されてなく、壁に並行コンセントが数回路あるのみで、足りない時は照明電源からの直引きでいただくしかない。
・・・と昔の事を書いていたら、音響用電源がありました(失礼!)

←ステージ上下と→客席通路下音響パッチ盤(C-30A×3回路は共通)
マイクスタンドの後ろが、元来のステージのはじまりで、これはオーケストラピットを上げた状態なのです。ですから元々ステージ奥行きは、4間ちょういではないだろうか?
で、袖の出入り部分には固定壁(反響板のための)があり、とても狭くなっていて、普通のホールでは考えられないような不便さである。
まとめ
如何せん、既に40年の月日が流れているわけで、根本的な改修もしくは建て替えが必要だと思われるが、市及び国の財政からするとかなり無理があるだろうし、まさかブリジストンがお金を出してくれるはずもなかろうから、このまま100年は使わなければならぬのかもしれぬ(笑)。それにしても時代遅れの建築物を使わされる利用者と管理者は可愛そうである。いっそのことそのまま博物館にでもしてしまうか?
とは言え、当時日本でも有数の音響(反射音がという意味)と云われたことを未だに有り難がっている人達もいるのかも知れないので、こういう過激な言い方は失礼な事かもしれない。
いっそのこと、クラシック(アコースティック)以外には貸し出しません!な〜んて決めてもらったほうが、乗り込みには有りがたい事かもしれませんね。