友人Y君・・・
2003.5

今年(2003)14年ぶりに中学時代の同窓会がある。でも俺的には22〜23才の第一回目の時以来だから20数年ぶりってことになるのだ。
で、前回の名簿を見せてもらったらなんと俺のところ「行方不明」になってるじゃないの???なんでだぁ?おれはちゃんと久留米にいたのになぁ・・・みんなから嫌われていたのか・・・。いやきっと幹事が手抜いたんだな・・・。
まぁいいか、で、話を元に戻すと・・・。

 実は我々同窓生、ともだちの店に集まっちゃぁ毎年「今年は同窓会するばい!」と話には出るものの、出ては消え消えては出る・・・そして月日だけが流れ去る事10数年。またまた今年も同窓会ばすい!ってことになり、自称実行委員・有志10数名が集まってしまい?今度だけは引く事も出来ず、事の成りゆき上不肖この俺が「名簿作成係」になったわけです。これが今回のテーマになろうなんてこの時はまだ知る由もなかったわけです。(酔っぱらってたしね)

 小学〜中学と同じ学校に通ったにも関わらず一度も話した事がないというヤツが必ず何名かいるもんだ。Y君ともそんな関係だったので、高校入学後友達から紹介された時も「こんなやつおったっけ?」と失礼な事を言ったかどうかは忘れたけど、まぁ気にならない奴という引き出しにそっと入れられた。ただYくんを紹介したのが誰だったのか今では思い出せない。
と言うのも、俺は福岡の私立S高校で、Yは久留米市内の県立K高校だったからだ。全く関係ない高校の友人が紹介したのか?

まぁそこんとこは置いといて・・・。

 当時K高校には「オンケン」という音楽サークルがあってY君はそこに所属していた。オンケンには今では有名人になってしまった元ARBの石橋秀樹(凌)さんも所属されていて、AppleTree(まるでTulipのような)というバンドでボーカルを担当、そして筑後地域ではかなりの人気者だった。おまけに当時としては珍しく(と言うか随分先進的)「自主製作レコード」まで作り、若者に売り付けては悪どく儲けてたようだ(冗談)
 そんなAppleTreeに憧れてかどうかY君も「オンケン」に入部していて、いつの間にか俺はオンケンのコンサートがあるたびに助っ人としてY君のバックでベースを弾いていた。そのうち俺とY君のデュオで動き始めるのだが、その経緯も今では記憶の外だ。

 やがてY君は高校を卒業、市内のK大学へと進学していく。
俺は今で言うところのフリーターちゅうやつで、プラプラしてた。
そいでもY君とは交流が続いていて、Y君の友達の実家がある鹿児島まで一緒にドライブに行き、そこで1週間お世話になったりもした。
もちろんお互いの自宅へは何度も泊まりに行ったり来られたりと言う典型的な若者なかよし2人組だった。

 そして月日は流れY君は薬品会社へ就職が決まり、数年後には結婚もして子供が出来た。俺も結婚して最初の子が出来たばかりだったし、カミさんたちの話の共通点もあり、家族ぐるみでよく遊んでいた。しかし数年後福岡県北部の百万都市「K市K南区」へ転勤が決まり、Y家族は数カ月後引っ越してしまう。
 
 その後引っ越し先の電話番号は聞いたものの、俺の方も引っ越しが2回続き電話番号を無くしてしまう。おまけに仕事も忙しく「用があるなら向こうから電話してくるやろ」とほったらかしにしていた。
そいでも「盆と正月くらい実家に帰ってきてるやろ?電話ぐらいしろよね!」と勝手に少しづつムキになってた。

 

 で、話は戻って・・・
「同窓会名簿作成係」の俺としちゃ、Y君は他クラスだったけど役に格好つけとりあえず実家に電話して、おふくろさんから連絡先を聞き出そうと企んだわけだ。もうあれから10年以上顔も見てないし、子供も大きくなってるだろうなぁ・・・なんていろいろ考えつつ。

俺「もしもしぃ、お久しぶりです・・・(中略)今Y君どこにいますか?」

母「あぁ○○君ねぇ、Y はいませんよ」

俺「いやいや、そこにいないのは分かりますけど、いまどこに住んでいるんですか?」

母「どこにもいませんよ・・・」

俺「どこにもいない?」

母「はい、この世にいませんから・・・」

・・・しばし沈黙・・・

俺「そりゃどげなこつですか?」

母「死にました」

俺「死んだちゃなんちゅうこつですか?」

ここらあたりからショックと言うよりも、10年も友人の死を知らなかった(と言うか知らされなかった事に怒りが込み上げてくる)

俺「なんで死んだんですか?事故ですか?病気ですか?」

母「あ、はい・・・そ、そうです」

頭が錯乱してきた俺は「近いうちにY君の位牌に手を合わせに行きます」とだけ言って電話を切った。
その後、友人に聞いたところによると「自殺」だったらしい。

ひさしぶりの同窓会がきっかけで俺とY君をこんな形で再会させてしまった。

奥さんは? 子供は? 

どうなったと?

何が原因やったと?

どうして死なんといかんやったと?

なんで俺に話せんやったと?

いろいろな想いが頭の中を駆け巡る。
でも答えは聞こえない。

いま、Y君から借りっ放しになっていたギターだけが手許に残った。

奴の形見だ。

そのうち俺も向こうへ行くのだろうけど、そん時ゃ覚悟しておけよ!
もうやめてくれ!ってくらいこの事はしつこく聞いてやるからな。