松尾食堂

食堂界のシーラカンス



(久留米市日吉町5-9)三本松公園南側の通り(本町交差点北側の通り)

2005.8.18

昭和6年創業の老舗大衆食堂。
だがこのへんは空襲にあっているはずだし、戦後区画整理があったはずだからこの写真の佇まいが昭和6年からのものではないだろう。三本松公園も戦前は無かったから、戦後の建物だと思われる。(調べてみたらやはり久留米市場〈現在の三本松公園から文化街にかけて〉に隣接したところにあったようだ。(ちなみに古賀久も市場の横で営業していた)昭和28年(1953)の水害時建築中だったとのことだから築50数年というところか・・・。

で、当時どのような値段設定になっていたのか知らないが、他食堂に比べてかなり高い設定になっている。

親子丼 720円
玉子丼 720円
肉 丼 770円
肉 丼 820円(玉子入り)
カツ丼 820円
吸い物 100円

ちなみに三潴屋では、カツ丼は450円だ。おまけにみそ汁も付いているときてる。カツ定食でも550円(みそ汁付)、ここがどれだけ高めの設定かおわかり頂けたかと思う。
しかしながらこの松尾食堂なかなか根強いファンを持つ。創業当時から変わらぬであろう建物や店内(土間のまんま)など、郷愁を誘うのか。遠く県外からもはるばるやって来ると聞く。まぁ観光客にはこの値段もアリだろうが、大衆食堂なのだから地元民がどれだけ通うのか?でその存在意義が問われるものと思うのだが、はたしてどうなのだろうか?それにしても値段だけは大衆でないのが気になるところである。
肉丼
親子丼
玉子丼
吸い物(100円)
かく言う私は20歳のころから店の存在自体は噂で聞いていたものの、もうすぐ40歳という頃まで食べたことがなかった。店がどこにあるのかさえ知らなかった。で、福岡市出身久留米在住(久留米歴15年)の知人に、久留米人のくせに食った事がないとは何という事か!と叱られ、'98だったか初体験の彼とふたりで出かけたのであります。
 
で、味はどうだったかと申しますと、あれ以来二度と足を踏み入れていないという事実でご理解頂きたいのだが、まぁ簡単に言えば「甘い」の一言に尽きますね。どれも決定的に「甘い」のです。極甘の極み。6年以上経った今でもあの甘さは忘れる事が出来ない恐ろしい程の甘さです。
身も心も筑後人である私はある程度の「甘辛さ」は大好きであります。醤油と砂糖の微妙なバランス感覚は持ち合わせていると思っています。

戦後、砂糖や肉類が入手困難な時代を経て今の松尾食堂が存在するという事は理解出来るけど、今この時代にここまで強烈な味が必要とされているのでしょうか? 

それと金額設定です。
費用対効果が私の中では釣り合わないと云いますか、この金額でこの内容には納得がいきません。もう6年以上食べていない事から、たぶん二度と食べなくてもよい物のひとつである事に違いありません。
食堂界の「想夫恋」と命名しましょう。

店主も昔のやり方でしか提供出来ないのかもしれませんし、もしかすると昔のやり方を続けるにはこれだけの費用がかかる事なのかもしれません。
しかし昔を有り難がりノスタルジーで通う常連さん達の欲望を満たしてくれているのなら、それはそれで良いのかもしれないです。