レーダー>>>酒>>>無罪放免
浮羽郡編
もうずいぶん前の話、その日なぜ浮羽郡浮羽町の友人(M)のところに泊まるハメになったのかはよく覚えてないのだが、千足にあるホルモン屋「大鵬」でたらふく食って飲んで「さぁ次は吉井まで行って飲み直そう!」と云う展開になったのでした。千足から吉井町までは車で5分の距離です。運転代行なんぞ無い時代、ちょっとそこまでやから大丈夫っさい!という軽いノリで車に乗り込む2人。
千足を出発して1kmほど行くとR210と久大線とが交差したポイントがあるのですが、向こうが見えないのと上り坂になっているということ、それにお酒の力が加わり、かなりアクセルを踏んでいたようです。
交差ポイントを過ぎ下り坂を気持ちいいスピードで降りていきました。すると降りきった左手になにやらいやな車と人がいるではありませんか・・・(顔面蒼白になったことは云うまでもありません)
お互い顔を見合わせ(逃げる?という確認)ましたが、やめといたほうがいいよ・・・というMの顔。やっぱり・・・とわたし。

スピード違反の取り締まりでした。それも下り坂でですよ。
「ムカッ」ときて文句の一つも云いたいところですが、酒気帯びのわたしはそんな事はどうでもいいことです。そう取り締まりは君たちの好きなところでやっていいのよ。あたしゃ素早く事務処理をしてもらいこの場を立ち去りたい一心なのですからね。
「スピード違反です!」と云うなり、助手席に乗るMを発見した警官は「あらら、Mさんでしたかぁ」などと宣う。知り合いらしくMも「あら〜こんばんわぁ」などと挨拶を交わす。すると警官「Mさんが運転しちょけばよかったつにねぇ〜・・・」などと意味不明発言。「おいおいどういう意味なのよ?」と声には出さぬが、なんかいやな雰囲気だこと。
云われるままに警察バスに乗り込み、切符を切られサインをして・・・とその時「おたく、酒のんじょらんですかね?」とさりげなく警官。
「いえ全然飲んでませんよ、これから吉井で飲み始めるんです」と俺。
隣にいるMが何やら警官に目配せをしている。<まぁここはいいやないですか・・・>という意味か?

すると「まぁ気を付けて行って下さい」と突然のおことば。
な、なんでぇ〜?なんで途中で終わるとぉ?

もっと取り調べしてくれよぅ!どこで何をどれくらい飲んだのかとか、外に出て直進歩行テストなんかやらせてくれよぅ!などと全く気持ちと違う事を思いつつ、逃げるようにその場を後にしたのでした。

警察と政治は一心同体という事を目の当たりにした私(若干22歳)は、収まりきれない怒りの向こうの安堵感と、何とも云えない理不尽さ、悪と正義の境界線とに心揺られながら、吉井の町で荒れ狂うように飲み明かしたのでありました。